ポート・GPIO

LEDを点灯させる

マイコンでLEDを点灯させるという制御も可能です。
マイコンの端子にLEDと電流制限抵抗を接続します。
出力部が“H”出力もしくは“ハイインピーダンス”出力時にLEDは消灯し、出力部が“L”出力時にLEDは点灯します。

LEDを点灯させる際の注意点⓵

【LEDの電源電圧がマイコンの電源電圧より高い場合の注意点】
LEDの電源電圧がマイコンの電源電圧より高い場合、
LEDをOFFにしたつもりでもLEDが点灯してしまうことがあります。
解決する方法は2つあります。
まず1つ目にオープンドレインで動作させ、トレラント構造のポートを使用すること、2つ目にマイコンの外にトランジスタを設けることです。
ここでは、前者について解説します。

PMOSを用いて“H”出力を行うと、LEDの電源電圧(マイコンの電源よりも高い電圧)とマイコンの電源電圧がぶつかってしまい、電流が流れLEDが点灯してしまいます。

そこで、オープンドレインの動作が必要になります。オープンドレインとは出力部のPMOSを使わずNMOSの“L”出力と“ハイインピーダンス”出力のみを行う動作です。

しかしながら、出力部にPMOSがある場合、たとえオープンドレインにしてもPMOSの寄生ダイオードを介してドレイン⇒バルク⇒マイコン電源電圧へと電流が流れLEDが点灯してしまいます。

そこでトレラントポートが必要になります。トレラント構造のポートとは、出力部のPMOSのバルクから電源への電流の流れを抑える回路を追加したものです。

トレラント(Tolerant)とは耐えること、つまり、耐性があるという意味です。トレラント構造のポートを持っている場合、マイコンが3Vで動作していても、マイコンのポートに5Vが印加できます。

補足ですが、LEDの電源がマイコンの電源より高い場合、ESD保護ダイオードを介して電流が流れてしまう場合があります。

ESD保護ダイオードとは、端子に印加されてしまう可能性がある数百V~数kVの瞬間的な静電ノイズを電源やグラウンドに逃がすための保護素子です。

トレラント構造を持つポートでは、ESD保護ダイオードは単純なダイオードではなく電流が流れないように工夫されています。マイコンの電源より高い電圧を入力する場合は、トレラント構造を持つポートを使用しましょう。
ちなみに、端子が数百V~数kVの耐圧があるわけではありませんので絶対最大定格は守りましょう。



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