リセット
リセットICを接続する際の注意点
ここではリセットICを接続する際どのようなことに気を付けるかを,ローム製リセットIC“BU42xx”を用いて一緒に考えてみましょう。
例えば電池二個で動作するシステムを考えてみましょう。
マイコンの推奨動作電圧範囲は2.2V~3.6Vで,システムの動作電圧は2.7V~3.3Vと想定します。
システムの動作下限電圧は2.7Vなので,2.7V以上でリセットをかけるわけにはいかないとします。
そのため,2.7V以下でLSIのリセットを解除しておく必要があります。
ここで気にするべきことが3点あります。
1点目にリセットICのリセット電圧およびリセット解除電圧はマイコンの推奨動作電圧範囲内にすること,
2点目にリセットICのバラツキも加味すること,3点目にリセットICのヒステリシス幅に注意することです。
特に1点目が重要です。
リセット電圧(電源立下り時のリセット判定電圧)およびリセット解除電圧(電源立上り時の
リセット判定電圧)が低すぎるとマイコンの推奨動作電圧範囲内でリセットがかかりません。
まずは電源立ち上がりの場合を考えてみましょう。
リセット解除電圧が低すぎるとマイコンの推奨動作電圧範囲以下でリセット解除されるためリセットが
かかりません。
次に電源立ち下りの場合を考えてみましょう。リセット電圧が低すぎるとマイコンの
推奨動作電圧範囲以下になってもリセットがかからないです。
その状態で電源が再起動した場合,最悪暴走してしまいます。
そのため,リセット電圧およびリセット解除電圧はマイコンの推奨動作電圧範囲内にする
必要があります。
そこで今回は,リセットICのリセット電圧をマイコンの推奨動作下限電圧2.2Vからシステムの
動作下限電圧2.7Vとの間に設定することにします。
このマイコンの推奨動作下限電圧とシステムの動作下限電圧の幅が狭くなれば狭くなるほど,
気にするべきことの2点目と3点目が重要になります。
BU42xxのバラツキを見てみましょう。
2.5V検出時,-40℃~85℃でのバラツキは2.5V±0.09V程度です。さらにヒステリシス幅を
見てみましょう。
ヒステリシス幅の最大値はVDETx0.07となっています。検出電圧2.5VのリセットICを選択した場合,
リセット解除電圧はばらつきとヒステリシス幅をプラスすると2.765Vとなります。
これではシステムの動作電圧範囲でリセットがかかってしまいます。
では2.4Vにしてみましょう。2.4Vにすると,2.658Vとなります。そうすると2.7V以下で
リセット検出が可能そうです。
これに該当するリセットICは“BU4224”となります。
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